未完成であれ
- 2010/06/29
- 15:45
日本の建築技術や建築思想は、大変教訓的なことが多く、知れば知るほど日本人の奥ゆかしさと自然に対する畏怖の念を感じます。
日光の陽明門

社団法人日光観光協会からお借りしています。
素晴らしい装飾で、私も大好きな建築物の一つです。
この陽明門の柱のうち1本が上下逆さに設置されているいわゆる「逆さ柱」です。
これは、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」ということで、敢えて未完成の状態にしているのだそうです。
また古い家屋では、屋根瓦が数枚重ねて置いてあったり、貼られていない箇所を作ったりして、未完成の状態にしているというのも、一般的にあったそうです。
また、このような神社仏閣の建築には、釘などの金属を一切使いません。
それは、金属は腐食することがあって、留め具として機能しなくなることがあるからです。
ですから全て木材を使って、柱や壁を留めています。その留め方は、独特の寄木細工のような工法で、ある意味で芸術です。
ここでは、木が時間とともに呼吸し水分を含んで大きくなることや、乾燥する時期に少し痩せることを計算してきっちりの大きさではない留め具を使います。
そして、「100年後に建物として安定する」くらいの強度で作っていたのだそうです。
まだまだ日本の建築の知恵や考え方には、様々な教えがあるのですが、これだけでも人間を頂点のヒエラルキーなんて考えていなかったんだな。と思わせます。
自然の中で、自然に逆らわず、時間に逆らわず生きるための知恵。
そして全てのものが完全ではなく、未完成であるから継続できるのであるという謙虚な姿勢。
それを飄々とやっていたであろう昔の日本人は、本当に素晴らしい。
私ももっともっと謙虚に、全ての出来事や存在に学びと感謝を持ちたいと思いました。
日光の陽明門

社団法人日光観光協会からお借りしています。
素晴らしい装飾で、私も大好きな建築物の一つです。
この陽明門の柱のうち1本が上下逆さに設置されているいわゆる「逆さ柱」です。
これは、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」ということで、敢えて未完成の状態にしているのだそうです。
また古い家屋では、屋根瓦が数枚重ねて置いてあったり、貼られていない箇所を作ったりして、未完成の状態にしているというのも、一般的にあったそうです。
また、このような神社仏閣の建築には、釘などの金属を一切使いません。
それは、金属は腐食することがあって、留め具として機能しなくなることがあるからです。
ですから全て木材を使って、柱や壁を留めています。その留め方は、独特の寄木細工のような工法で、ある意味で芸術です。
ここでは、木が時間とともに呼吸し水分を含んで大きくなることや、乾燥する時期に少し痩せることを計算してきっちりの大きさではない留め具を使います。
そして、「100年後に建物として安定する」くらいの強度で作っていたのだそうです。
まだまだ日本の建築の知恵や考え方には、様々な教えがあるのですが、これだけでも人間を頂点のヒエラルキーなんて考えていなかったんだな。と思わせます。
自然の中で、自然に逆らわず、時間に逆らわず生きるための知恵。
そして全てのものが完全ではなく、未完成であるから継続できるのであるという謙虚な姿勢。
それを飄々とやっていたであろう昔の日本人は、本当に素晴らしい。
私ももっともっと謙虚に、全ての出来事や存在に学びと感謝を持ちたいと思いました。
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