昨夜、久しぶりに近所のお鮨屋さん
「鮨なが井」に行ってきました。
カウンターだけのこじんまりしたお店ですが、とても清潔感と季節感のある素敵なお店です。
そしてなんと言っても、美味しい!!
江戸前の鮨の魅力はその「仕事」です

なが井さんのにぎりは、お醤油をつけるようなものはありません。
全てのネタに繊細で絶妙な味付けや工夫がほどこされ、そのまま口に運んで食べるように作られています。(しゃりも小ぶりですが、言えばもっと小さくしてもらえます)
この一工夫を「仕事」と言います。
このにぎりを食べると、江戸の鮨職人の粋と意地を感じます。
一見、なんてことないものにも、信じられないくらいの手間と心遣いが詰まっているのです。
昨夜は鱧(はも)の綿引からいただき、鱧が大好き

と、言ったら面白いものがありますよ。と出してくださったのが、こちら。

二層のゼリー寄せですが、下がウニ(これも大好物)の塩漬けをお出汁の入ったゼリーで固めて、それが固まりきる前に、鱧の子(珍味中の珍味!)のゼリー寄せを乗せて固めます。
鱧の子を細かくバラバラにする作業を聞いていると、それだけで嫌になるくらい根気のいる作業です。
もちろん、絶品です!超美味しいです。
そうそう、この写真を撮るとき
「写真撮っていいですか?」と、聞いたら、「どうぞ~」と言ってカウンターの向こうでピースサインでポーズを取った、とってもお茶目な大将です

その後、「この子」というなまこの子の塩辛や、秋刀魚のなめろうや、鱧のそぼろ煮(これはまだ作っている途中のもの

)を次々と出していただき、珍しい秋の味に大満足。
そしてここから、にぎりスタート、のどぐろ!、大間マグロの赤み!、大間マグロの中トロ!、甘エビ!、ほたて!、そして絶対食べていただきたい穴子!
いつも大体7貫くらいお願いして、追加で旬のものをいただきます。
昨日のおすすめは「いくら」、ということでいくらをお願いしたら、出てきたのがこちら


って、にぎりじゃないし

大将いわく「美味しいものって、ちょっと食べたって食べた気しないでしょう?だからこれくらい食べないと

」 なるほど、大将のその立派な体格はそういうことか

でも、このいくら本当に美味しかった~。そしてついでに、「まかないで食べる予定にしてるんだけど、つけて2日経ったいくら」といって出していただいたいくらは、皮が硬くなっていて、口の中に皮が残ります。
こんなに鮮度によって変わるんだな~、と思いました。
そして最後に頂いたお椀が、甘エビの頭でとったお味噌汁でした。
甘エビみたいな美味しい食材を使えば、誰だって美味しく作れると思っていた味噌汁ですが、やっぱり違うんですよね~。
聞いたら、全然手間のかけ方が違いました。なるほど、ただお出汁をとるだけでなく、味のバランスや香りのバランスも緻密に計算されているんですね~。
江戸前の仕事は、最後の最後まで手抜きがありませんでした

あまりに美味しかったので、持って帰りたい。と言ったら、「ちょっとだけ残ってるけど、持って帰る?」ってジップロックに入れて分けてくださいました。
なので、今朝もその美味しいお椀を頂きました。
一流の職人の仕事って、本当に無駄がないと言うか、たくさんの無駄とも思われる地道な作業の上に成り立っているというか(全く逆なこと書いてるけど)、簡単に言うと、「好きじゃないと出来ない仕事」だと思いました。
毎回思いますが、私も同じ職業人として、見習わなければな~
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